『S.Y.K 〜新説西遊記〜』シリーズ、2009年8月20日にアイディアファクトリー(オトメイト)から第1作が発売されたPlayStation 2およびPlayStation Portable対応の女性向け恋愛アドベンチャーゲーム。
中国の古典文学『西遊記』を大胆にアレンジし、無気力な悟空やチャラ男な八戒といった一癖も二癖もある従者たちとの波乱万丈な天竺への旅を描く、コミカルかつシリアスな作品となっています。
物語の主人公は、天界の仙人・観音菩薩から「三蔵法師」としての使命を授かった少女・玄奘です。彼女は、乱世を救う経典を求めて天竺を目指すことになりますが、お供となる妖怪たちは問題児ばかり。「悟空」はやる気がなく無気力、「八戒」は女好きのプレイボーイ、「悟浄」は極度のマイナス思考、「玉龍」は口の悪い生意気な少年と、前途多難な旅が始まります。しかし、コミカルな掛け合いの中にも、彼らが抱える過去のトラウマや、人間と妖怪の対立といった重厚なテーマが隠されており、旅を通じて深まる絆と愛の物語が感動を呼びます。
本編の後日談を描いたファンディスク『S.Y.K 〜蓮咲伝〜』では、天竺への旅を終えた後の甘いエピソード「玄奘編」に加え、物語の起源である500年前の過去を描く「金蝉子編」が収録されています。また、両作品ともにPlayStation Portableへ移植されており、追加シナリオやシステムボイスの搭載など、携帯機ならではの要素も充実しています。
既存の『西遊記』の常識を覆すユニークなキャラクター設定と、笑いあり涙ありのドラマチックな展開は、乙女ゲームファンのみならず多くのプレイヤーを魅了しました。単なるパロディにとどまらない、壮大な世界観と切ない運命の物語を楽しむことができます。
本作は、中国の古典文学『西遊記』をモチーフにした女性向け恋愛アドベンチャーゲームです。三蔵法師が女性であるという設定や、登場人物たちの性格が現代風かつ極端にアレンジされている点が大きな特徴ですが、天界・地上界・冥界を巻き込む壮大なスケールの物語は原作の持つ冒険活劇の魅力をしっかりと継承しています。後にドラマCD化や単独イベント開催など、多角的なメディアミックスも展開されました。












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