『D.C. 〜ダ・カーポ〜 the Origin』、2008年2月14日にブロッコリーから発売されたPlayStation 2対応のこそばゆい学園恋愛アドベンチャーゲーム。
恋愛ゲームの金字塔である初代『D.C. 〜ダ・カーポ〜』の物語を、続編『D.C.II』の声優陣が演じるという、シリーズの歴史においても特異かつ実験的な試みがなされた作品となっています。
物語の舞台は、一年中桜が枯れない不思議な島「初音島」。風見学園に通う主人公・朝倉純一は、手から和菓子を出すささやかな魔法と、他人の夢を見る能力を持ちながら、義理の妹である音夢や幼馴染たちと平穏な学園生活を送っていました。しかし、桜の木がもたらす魔法と伝説が、彼らの関係に少しずつ変化をもたらしていきます。本作では、シナリオやイベントグラフィックは初代をベースにしつつ、全キャラクターのボイスを『D.C.II』のキャストが一新して担当しており、お馴染みの名シーンが全く新しい響きを持って蘇ります。
ゲームシステムはオーソドックスなテキストアドベンチャー形式ですが、最大の特徴はそのキャスティングにあります。例えば、ヒロインの朝倉音夢を『D.C.II』の朝倉音姫役である高垣彩陽氏が、芳乃さくらを月島小恋役である南條愛乃氏が演じるなど、続編の「未来のキャスト」が「過去のキャラクター」を演じるというメタフィクション的な構造が、ファンに新鮮な驚きと再発見を提供しました。
変わらない感動と、新しく吹き込まれた息吹。初代を遊び尽くしたプレイヤーにとっても、全く異なる印象を与える「もう一つの原点」を楽しむことができます。
本作は、2002年にサーカスから発売されたPC用18禁恋愛アドベンチャーゲーム『D.C. 〜ダ・カーポ〜』のリメイク作品です。「こそばゆい」という独特のキャッチフレーズと、枯れない桜を巡る切ないシナリオ、そして七尾奈留氏による魅力的なキャラクターデザインが爆発的な人気を博しました。後にアニメ化やコンシューマー移植が多数行われ、20年以上続く長寿シリーズの礎となった記念碑的なタイトルです。












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