『スーパーロボット大戦Scramble Commander the 2nd』は、2007年11月1日にPlayStation 2用ソフトとしてバンプレストより発売されたリアルタイムシミュレーションゲームであり、「スーパーロボット大戦」シリーズの中でも異色のRTS(リアルタイムストラテジー)作品です。本作は、2003年に発売された前作『Scramble Commander』の続編にあたりますが、ストーリー上の直接的なつながりはなく、独立した世界観と物語が展開されます。

プレイヤーは、地球圏の防衛組織「A3(Anti Alien Assembly)」に所属する主人公ケイジ・タチバナを中心とした特機部隊「Aフォース」を指揮し、異星勢力や人類内部の対立、さらには並行世界の崩壊といった壮大なスケールの戦いに挑むことになります。物語は、特機「羽々斬(はばきり)」の発見を契機に、世界の均衡が崩れ、やがて全並行世界の存亡をかけた戦いへと発展していきます。

ゲームシステムは、前作のリアルタイム戦術を踏襲しつつも、最大8機編成の小隊制や空中戦・宇宙戦の導入、さらには「精神コマンド」「気力」「変形」「合体」など、従来のスパロボシリーズの要素を融合させたことで、より戦略性と操作性が向上しています。また、戦闘中に1機を直接操作できる「マニュアルモード」や、自由に編成・育成が可能な「フリーバトルモード」も搭載され、プレイヤーの自由度が大きく広がりました。

参戦作品には、『マジンガーZ』『ゲッターロボG』『機動戦士Ζガンダム』『ガンダムSEED DESTINY』『マクロスゼロ』『ラーゼフォン』『神魂合体ゴーダンナー!!』など、リアル系・スーパー系を問わず多彩なロボットアニメが登場。特に『ゴーダンナー』や『マクロスゼロ』など、当時スパロボシリーズ初参戦となる作品も含まれており、クロスオーバー演出の妙が光ります。

本作のオリジナルキャラクターであるケイジ・タチバナとバレンティナ・レアニカの関係性や、敵対するシュウイチロウ・ユキムラの狂気と破壊衝動、そして最終決戦における「ゼロポイント・ブレイク(全並行世界の崩壊)」といった展開は、シリーズ屈指の重厚なドラマとして高く評価されています。主人公機「羽々斬」およびその強化型「天羽々斬」、そしてラスボス機「アゾエーブ」は、いずれも独自の設定と演出でプレイヤーに強烈な印象を残します。