『死角探偵 空の世界 ~Thousand Dreams~』は、他人の記憶に残る「視覚」を読み取る特殊能力を持った主人公が、難解な殺人事件に挑む本格ミステリーアドベンチャーゲーム。2007年9月13日にNine’s foxからPlayStation 2で発売されました。

本作の主人公「空(くう)」は、自身の過去を持たず、代わりに他人が過去に見た光景を「視覚結晶」として再生する能力を持つ青年です。物語は、海岸で倒れていた彼が、夕葵観砂(ゆうき みさ)という少女に助けられるところから始まります。彼女の別荘へと招かれた空は、そこで骨肉の遺産相続争いと、不可解な連続殺人事件に巻き込まれることになります。プレイヤーは空の能力を駆使して、現場に残された残留思念から犯行当時の状況を再現し、物理的な証拠と合わせて犯人を追い詰めていきます。

ゲームシステムは、会話や探索を通じて情報を集めるアドベンチャー形式ですが、「気力」というパラメータが存在する点が大きな特徴です。捜査中に的外れな質問や無駄な行動をとると気力が減少し、ゼロになると捜査失敗となるため、緊張感のあるプレイが要求されます。また、会話中に流れるメッセージの特定部分に対してリアルタイムに反応を返す「アクティブ・リアクションモード」を搭載しており、相手の失言にツッコミを入れたり、重要な証言を引き出したりする駆け引きも楽しめます。主人公役に梶裕貴、ヒロイン役に中村繪里子といった実力派声優を起用し、フルボイスで描かれる重厚なドラマも魅力です。

本作は、Nine’s foxが手掛けたオリジナルミステリー作品であり、独特のシステムと難易度の高さで知られています。ミステリーというジャンルにおいて、「探偵役が超能力を持っている」という設定は、一見すると反則に思えますが、制限された能力の中で論理的な解決を導く面白さは、特殊設定ミステリーならではの醍醐味です。ここでは、特殊な能力や設定を活かしたミステリー小説の傑作を紹介します。論理と奇想が融合した世界観に触れることで、本作のシナリオが持つ魅力をより深く理解できるはずです。
屍人荘の殺人 [文庫]

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