『妖鬼姫伝 〜あやかし幻灯話〜』、2007年8月30日にアイディアファクトリーから発売されたPlayStation 2対応の伝奇恋愛アドベンチャーゲーム。神隠しから生還した幼馴染との再会をきっかけに、人と妖(あやかし)の境界を巡る戦いへと身を投じる、現代を舞台にした和風ファンタジー作品となっています。

物語は、200年ごとに結ばれる「人と妖の協定」の更新が迫る現代日本で幕を開けます。主人公・緋原龍一は、1年前に行方不明となり「神隠し」に遭っていた幼馴染・天宮月夜が突然帰還したことで、妖たちが跋扈する非日常の世界へと巻き込まれていきます。プレイヤーは主人公となり、月夜をはじめとする5人のヒロインたちと共に、襲い来る妖を撃退しながら、協定の裏に隠された真実と自らの出生の秘密に迫ります。

アドベンチャーパートに加え、属性相性やタイミングが重要となるコマンド選択式の戦闘パートが搭載されています。戦闘では「五行属性」や「攻撃属性」の概念があり、ヒロインたちと連携して敵の弱点を突く戦略性が求められます。また、制限時間内に決断を迫られる「リミットセレクション」や、キャラクターとメールを交換して親密度を高める「メーリングシステム」など、緊迫感と日常の交流を両立させる独自のシステムが物語を彩ります。

日常が徐々に異界へと侵食されていく恐怖と、過酷な運命の中で育まれるヒロインたちとの絆が、プレイヤーを幻想的かつスリリングな伝奇体験へと誘います。

本作は、アイディアファクトリーとデザインファクトリーが手掛けた完全オリジナル作品です。現代社会の裏側で暗躍する「妖」という伝奇的なテーマを扱いながら、ヒロインとの恋愛や共闘を描くジュブナイル的な作風が特徴です。美内すずえ氏の漫画『妖鬼妃伝』とタイトルが類似していますが、関連性はなく独立したオリジナルの物語となっています。

妖鬼姫伝 〜あやかし幻灯話〜