『シムーン 異薔薇戦争〜封印のリ・マージョン〜』、2007年6月21日にマーベラスインタラクティブから発売されたPlayStation 2対応の美少女・飛行・大河ロマン(タクティカルシミュレーション+アドベンチャー)。人気テレビアニメ『シムーン』の世界観を基に、空陸両用艇「シムーン」を操る少女たちが、戦争の渦中で祈りと戦いの狭間に揺れる姿を描いた、完全オリジナルストーリーの作品となっています。

物語の舞台は、誰もが女性として生まれ、17歳になると性別を選ぶ世界「大空陸」です。主人公・アーエルたち「コール・テンペスト」の面々は、辺境での任務中に謎の古代遺跡と、シムーンによく似た未知の機体に遭遇します。そこには敵対する隣国の軍隊だけでなく、遺跡を守る謎の少女の存在がありました。プレイヤーはアーエルとなり、仲間である「パル(相棒)」との絆を深めながら、遺跡に隠された「封印のリ・マージョン」を巡る新たな戦いへと身を投じます。

ゲームは、キャラクターとの会話や心理描写を楽しむ「アドベンチャーパート」と、3D空間でシムーンを指揮して敵を撃破する「タクティカル・シミュレーションパート」で構成されています。戦闘では、パルと息を合わせて空に軌跡を描く大技「リ・マージョン」の発動が鍵となり、その美しくも破壊的な演出が戦場を彩ります。アニメ版の中盤(第9話〜14話付近)をベースにしつつも、独自の展開を見せるシナリオは、原作ファンにとっても新鮮な驚きと感動を提供します。

少女たちの繊細な感情の揺れ動きと、残酷な戦争の現実。空に祈りを捧げる彼女たちが選び取る未来とは何か。美しくも悲壮な大河ロマンを体験できる一作です。

本作は、2006年に放送されたテレビアニメ『Simoun(シムーン)』を原作としています。スタジオディーン制作によるこのアニメは、全員が女性として生まれ、成長して性別を選択するという独特な性差社会「大空陸」を舞台に、巫女として神の機体「シムーン」に乗る少女たちが戦争に巻き込まれていく様を描いたSFファンタジーです。難解ながらも美しい世界観と、少女たちの複雑な心理描写が高く評価されました。

原作:Simoun(シムーン)