『まじしゃんず・あかでみい』は、魔法使いを養成する特殊な学園を舞台に、使い魔の少女や級友たちと賑やかな騒動を繰り広げる学園ドタバタラブコメアドベンチャー。2007年6月7日にエンターブレインからPlayStation 2で発売され、榊一郎氏による人気ライトノベルの世界を忠実に再現した作品として話題を呼びました。

物語の舞台は、一般社会から隔離された場所に存在する魔法使い養成機関「学園(アカデミー)」です。主人公の羽瀬川拓人は、この学園に通うごく普通の、しかし人並み外れた魔力を持つ少年。ある日の召喚実習で、彼は手違いから凄まじい力を持った謎の美少女「タナロット」を呼び出してしまいます。彼女が拓人の「使い魔」として居座るようになったことで、彼の学園生活は一変し、破壊的で賑やかな日々へと突き進んでいきます。

ゲーム版では原作の魅力を踏襲しつつ、独自のオリジナルエピソードがふんだんに盛り込まれています。特に注目すべきは、ゲームオリジナルの新キャラクターとして登場する「レティシア・パセリ」の存在です。彼女を中心としたシナリオは原作者の榊一郎氏が監修しており、既存のファンにとっても新鮮な驚きと感動を味わえる構成となっています。個性豊かなヒロインたちが織りなす掛け合いは、笑いあり涙ありの王道ラブコメディとして丁寧に描かれます。

システム面は、オーソドックスなテキストアドベンチャー形式を採用しています。物語の要所で提示される選択肢によって、各ヒロインとの親密度が変化し、物語の結末が分岐するマルチエンディング方式です。原作イラストレーターであるBLADE氏の繊細で可愛らしいキャラクターデザインを忠実に再現したグラフィックが画面を彩り、まるでアニメや小説の世界に飛び込んだかのような没入感を提供します。

音声面では、小清水亜美氏や伊月ゆい氏といった豪華声優陣によるフルボイス仕様が、キャラクターたちの個性をさらに引き立てています。それぞれのルートを攻略することで、ヒロインたちの意外な一面や隠された想いに触れることができ、学園生活の終わりまでプレイヤーを飽きさせない工夫が随所に凝らされています。

『まじしゃんず・あかでみい』は、ファミ通文庫から刊行された榊一郎氏によるライトノベルシリーズが原作です。魔法が実在する現代的な異世界を舞台に、常識外れの魔力を持つ少年と周囲の美少女たちが引き起こす騒動を描き、後にテレビアニメ化もされるなど高い人気を誇りました。

まじしゃんず・あかでみい