『保健室へようこそ』は、保健委員長となった主人公と「保健室の女神様」と呼ばれる謎多き養護教諭を中心に描かれる学園恋愛アドベンチャーゲーム。2006年11月30日にプリンセスソフトからPlayStation 2で発売されました。本作は、同年5月にPCゲームブランドBunBunから発売された『保健室 〜マジカルピュアレッスン♪〜』のコンシューマー移植版です。山での遭難事故から奇跡的に生還した主人公・田中湖太郎は、一ヶ月遅れで学園に復帰した矢先、強引に保健委員長に任命されてしまいます。そこには、怪しげな薬を調合する美貌の養護教諭・春日鞠奈が待ち受けており、彼女の実験によって生まれた「もう一つの人格」と共に、波乱に満ちた学園生活を送ることになります。
学園内のマップ移動と会話選択によって物語を進行させるオーソドックスなアドベンチャー形式ですが、最大の特徴は主人公の中に同居する別人格「ロウ」の存在です。気弱で優しい本来の人格「コタ」と、強気で好戦的な人格「ロウ」が入れ替わりながらヒロインたちと接することで、物語の展開や関係性が大きく変化します。プレイヤーは二つの人格を使い分け(あるいは振り回され)ながら、保健室を訪れる悩める少女たちの相談に乗り、心の傷を癒やしたり、時にはトラブルを解決したりして親密度を高めていきます。
PS2版では、PC版ではサブキャラクターだった「遠山夏芽」がヒロインへと昇格し、彼女にまつわる新規シナリオとエンディングが追加されました。また、原作のヒロインたちにも新たなイベントCGやエピソードが加筆されており、既存のファンも楽しめるボリュームアップが施されています。松田理沙氏や成瀬未亜氏といった実力派声優陣による演技がキャラクターの魅力を引き立てており、コミカルなドタバタ劇と、少し不思議で温かい純愛ストーリーの両面を楽しめる作品として再構築されています。
原作ブランドのBunBunは、本作のようなポップで明るい作風の作品をいくつか手掛けています。学園の保健室という閉鎖的でありながら誰もが訪れる空間を舞台にした物語に興味を持った方は、同様のシチュエーションを扱った漫画や、二重人格をテーマにした小説などを読むことで、本作のコミカルかつドラマチックな設定をより深く楽しむことができます。













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