『ホワイトブレス』シリーズは、幼少期の病気が再発し「卒業まで命が持たないかもしれない」という余命宣告を受けた主人公の、限られた時間の中での葛藤を描いた恋愛アドベンチャーゲームです。茜坂学園のサッカー部エースとして楽しい日常を送っていた相模司が、自身のタイムリミットを隠したまま、愛するヒロインたちが抱える問題を解決しようと奔走します。死の恐怖と隣り合わせの極限状態で、残された時間を使ってどのように想いを紡いでいくかという、切なくも温かい冬の純愛ストーリーが展開されます。
ゲームはテキストを読み進め、途中で提示される選択肢によって各ヒロインの結末へと分岐していくオーソドックスなノベル形式を採用しています。ヒロインたちはそれぞれ他のヒロインに対するコンプレックスや隠された悩みを抱えており、特定のルートを進めることで彼女たちの複雑な人間関係が浮き彫りになっていくのが本作の軸。キャラクターの機微を視覚的に表現する「フェイスウィンドウ」システムにより、些細なすれ違いや心の溝がリアルに描写され、感情のぶつかり合いを深く体験することができます。
PC向けのアダルトゲームからPS2版『〜絆〜』への移植を経て、PSP向けに『パーフェクトエディション』として展開されたアッパーバージョンです。最大の特徴は、PC版の企画書段階で存在しながら未採用となっていた幻のヒロイン「杉本椎奈」が完全新規で追加されたことにあります。これに伴いシナリオやイベントCGが大幅に拡張され、携帯機の手軽な操作環境のもとで、長年秘められていた物語の全容が初めて真の完成を見たパッケージとしての役割を果たしています。
美少女ゲームブランド「F&C FC02」が手掛け、橋本タカシ氏による温かみのあるキャラクターデザインと「余命宣告」という重いテーマのギャップが話題を呼んだ泣きゲーの代表作の一つです。PS2版での一般向け展開に続き、PSP版で幻のヒロインを復活させたことは当時のファンから大きな驚きを持って迎えられました。のちにこのPSP版の追加要素を逆輸入し、PC向けにアダルトシーンを追加した『パーフェクトエディション+』が発売されるなど、コンシューマー機での拡張が原作へ還流するという稀有な歴史を辿ったタイトルとして語り継がれています。













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