『水の旋律2 〜緋の記憶〜』は、人魚伝説の残る町で繰り広げられる伝奇ロマンスアドベンチャーゲーム。2006年10月26日にKIDからPlayStation 2で発売されました。その後、2010年02月25日には、前作のデータ引継ぎ機能などを搭載した移植版がサイバーフロントからPSPで発売されています。本作は、前作『水の旋律』から2年後の世界を描いた正統続編です。物語の舞台は変わらず「尚和町」ですが、主人公は養護施設で育った活発な少女「柏木きら」へと交代しました。彼女は古びた祠で謎の太刀を手にしたことをきっかけに、一族の血を巡る「一謡(いちよう)」と「九艘(くそう)」、そして新たに現れた第三の勢力「八咫(やた)」による三つ巴の戦いへと巻き込まれていきます。

ゲームプレイは、テキストを読み進めながら選択肢を選んでいくアドベンチャー形式に加え、物語の合間に「戦闘モード」が発生するシステムを採用しています。戦闘は「攻撃・反撃・牽制」の3すくみ(ジャンケン形式)で構成されており、パートナーに選んだキャラクターと共に敵と戦います。また、本作の特徴的なシステムとして、一日の始まりや終わりにサブキャラクター視点で物語を補完する「マルチプル・シナリオ」が搭載されています。これにより、主人公のいない場所での出来事や、攻略対象たちの隠された心情を垣間見ることができ、複雑に絡み合う人間関係を多角的に楽しむことができます。

本作の独自性は、前作の「守られる主人公」から一転し、自ら太刀を振るって戦う「能動的な主人公」を描いている点です。前作の登場人物たちも成長した姿で登場し、彼らのその後の物語や、立場が変わったことによる新たな苦悩も描かれます。特に、前作ではサブキャラクターだった「設楽優」が攻略対象として昇格しており、前作ファンにとっても見逃せない展開が用意されています。ひだかなみ氏の描く美しいビジュアルと、切なくも激しい運命の物語が、再びプレイヤーを尚和町へと誘います。

キャラクターデザインを担当したひだかなみ氏は、前作に引き続き本作でも美麗なイラストを手掛けています。本作の世界観のベースとなっている「八百比丘尼(やおびくに)」伝説は、人魚の肉を食べて不老長寿になったという日本の伝承です。この伝説や、舞台となる神社のモチーフに興味を持った方は、民俗学の書籍や妖怪図鑑などを読むことで、ゲームの背景にある伝奇的な要素をより深く理解することができます。

八百比丘尼伝説 (関連書籍)

駿河屋あんしん&らくらく買取