『あやかしびと -幻妖異聞録-』は、人と人ならざる存在「妖(あやかし)」が共存する現代社会を舞台にした異能バトルアドベンチャーです。2006年8月31日にディンプルからPlayStation 2で発売されました。もともとは2005年6月24日にPC用ソフトとして発売された作品の移植版であり、その後2009年にはPSP版も展開されています。プレイヤーは、体内に強力な妖を宿した少年・如月双七となり、育ての親である少女・すずと共に、彼らを狙う組織や異能者たちとの戦い、そして逃避行の物語を体験します。

物語は、テキストを読み進めながら選択肢によって展開が分岐するオーソドックスなアドベンチャー形式で進行します。最大の特徴は、シナリオライターの東出祐一郎氏による熱量の高い文章と、イラストレーターの中央東口氏が描く独特でエッジの効いたキャラクターデザインです。戦闘シーンでは、単なる記号的な処理ではなく、緻密な状況描写と躍動感のある演出により、超常的な能力を駆使した激しいバトルが圧倒的な臨場感で描かれます。日常の裏側にある過酷な真実や、キャラクターたちの譲れない信念がぶつかり合うドラマが大きな見どころです。

本作は、当時の美少女ゲーム界において「熱血異能バトル」というジャンルを確立させた傑作として知られています。PS2版への移植に際しては、PC版のアダルト要素を排しつつも、新シナリオやグラフィックの追加、そして演出の強化が行われており、物語の熱量は一切損なわれていません。むしろ、家庭用への調整によって戦闘シーンのテンポが改善され、より純粋にドラマに没入できる作りになっています。重厚な世界観と、死線を潜り抜ける少年少女たちの絆を描いた物語は、今なお多くのファンに愛されています。

作中で描かれる、現代に潜む古(いにしえ)の伝承や妖の気配は、日本の神話や怪異の世界への興味を刺激します。物語の世界観をより深く味わうために、日本各地に伝わる妖怪や神話を整理した図鑑、あるいは和の趣を感じさせる伝統的な文房具などは、日常の中に「非日常の気配」を取り入れるための良いパートナーになります。静かな夜に墨の香りを漂わせながら、物語の余韻に浸ってみてはいかがでしょうか。

異界の住人を知る日本妖怪図鑑

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