『ウィザードリィ外伝 戦闘の監獄(Prisoners of the Battles)』は、2005年3月25日にWindows向けに発売され、2006年8月3日にはPlayStation 2にも移植された3DダンジョンRPGです。『ウィザードリィ』シリーズの外伝作品でありながら、原点回帰を掲げて制作された本作は、「戦い続けること」そのものを目的としたストイックなゲームデザインが特徴です。
プレイヤーは辺境国家トランプル王国の近衛兵候補として、訓練の一環で迷宮に挑む冒険者たちを指揮します。物語性は極めて薄く、「強くなるために戦い続ける」ことが唯一の目的。ダンジョンは複数存在し、階層ごとに構造や仕掛けが異なり、後半には謎解き(リドル)や高難度のボス戦が待ち受けます。
本作の最大の特徴は、アイテムの効果がランダムで決定される「マジックエフェクトシステム」。1つの装備品に最大6つまでの効果が付与され、商店で効果の追加・削除も可能。これにより、理想の装備を求めて延々と潜り続けるハック&スラッシュ的な中毒性が生まれています。さらに、後年のSteam版では効果の移植・カスタマイズ機能も追加され、ビルドの自由度が飛躍的に向上しました。
戦闘は従来のターン制コマンドバトルを踏襲しつつ、種族(5種)・職業(8種)・性格(善・中立・悪)・能力値(6種)といったクラシックな要素を継承。呪文は英語表記と日本語表記を切り替え可能で、UIや表示形式も細かくカスタマイズできます。
また、後日談的な追加シナリオ『慈悲の不在』や、レベル1から挑む高難度ダンジョン『テッドの迷宮』なども配信され、長期的なやり込みに対応した構成となっています。Steam版では『五つの試練』のDLCとして再登場し、現代的なUIやバランス調整が施されました。
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