『レッスルキングダム』は、新日本プロレス、全日本プロレス、プロレスリング・ノアという当時の3大メジャー団体が実名で集結したプロレスアクション。2006年1月19日にユークスからXbox 360で発売され、同年7月20日にはPlayStation 2でも展開されました。当初は2005年12月の発売を予定していましたが、不具合による回収を経て改めてリリースされるという経緯を辿っています。
本作最大の見どころは、団体間の枠組みを完全に取り払った豪華なロスターにあります。新日本の蝶野正洋、全日本の武藤敬司、ノアの三沢光晴といった当時のトップレスラーに加え、アントニオ猪木や初代タイガーマスクといった伝説的なレジェンドまで40名以上が登場します。リングアナウンサーやレフェリーも各団体の人物が実名で登場し、メジャー団体が合同興行を行っているかのような臨場感が再現されています。
操作システムには直感的な「ボルテージゲージ」が採用されています。攻撃や防御、挑発を行うことでゲージが上昇し、MAX状態でアピールを行うと「FINISHモード」へ移行します。この制限時間内のみ、各レスラーの代名詞である必殺技(フィニッシュホールド)を放つことが可能となります。複雑なコマンド入力を必要とせず、ボタンの強弱やタイミングで試合の流れをコントロールする、アクション性に重きを置いた設計です。
一人用モードの「ヤングライオンモード」では、一人の新人レスラーとしてプロレス界に身を投じます。所属団体を選び、実在のトップレスラーを師匠に指名して厳しいトレーニングを積むことで、師匠の得意技を継承したりステータスを強化したりできます。特定のレスラーと戦うことでライバル関係が芽生えるなど、プロレスラーとしての波乱に満ちたキャリアを追体験できる育成要素が魅力です。
Xbox 360の性能を活かした高精細な3Dモデルは、レスラーの肉体美や表情の細部までリアルに描写しています。入場シーンの演出や会場のどよめき、実況の熱量といった演出面にも注力されており、テレビ中継さながらの迫力を提供します。PS2版ではオンライン機能こそ削除されたものの、携帯電話との連動要素や選手データの調整が行われ、より幅広い層が楽しめるタイトルとして完成されました。
『レッスルキングダム』は、日本が誇る格闘文化である「プロレス」を題材にしたオリジナルゲーム。開発のユークスが当時、新日本プロレスの親会社であったことから実現した企画であり、タイトルの名称は現在も続く新日本プロレス最大の興行名へと引き継がれることになりました。












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