『実況パワフルプロ野球13』は、2006年7月13日にコナミからPlayStation 2向けに発売されたシリーズ第13作目の野球ゲームです。前作『パワプロ12』からの進化点として、試合視点や操作感に大きな変更が加えられ、特に「キャッチャーウィンドウ」の廃止によって、投球・打撃の視認性やタイミング感覚が一新されました。この変更は賛否を呼び、従来のプレイヤーには戸惑いもありましたが、初心者には打撃の爽快感が増したと評価されることもありました。

サクセスモードは「高校野球編」として再構成され、パワフル高校、帝王実業高校、聖タチバナ学園高校、灰凶高校の4校が舞台となります。それぞれに異なる育成システムやストーリーが用意されており、友情タッグ練習や「気合システム」などの新要素が導入されました。特に帝王実業編では友沢亮の過去が描かれ、シリーズの時系列やキャラクターの背景が深掘りされる構成となっています。

また、ペナントモードはシリーズ初の「最長20年プレイ」に対応し、球団運営の自由度が大幅に向上。マイライフモードでは「プレイングマネージャー編」「優勝請負人編」「憧れ現役選手編」といった新たなプレイスタイルが追加され、選手としてだけでなく監督的な立場でもプロ野球を体験できるようになりました。

ただし、開幕版では打高投低のバランスやストレートの体感速度の遅さ、変化球の弱体化などが批判され、決定版での調整が待たれることとなります。実際、同年12月に発売された『実況パワフルプロ野球13決定版』では、これらのバランスやバグが修正され、より完成度の高い内容に仕上がっています。

2006年のプロ野球では、セ・リーグは中日ドラゴンズが優勝し、パ・リーグは北海道日本ハムファイターズがリーグ制覇。新庄剛志の引退やダルビッシュ有の台頭など、話題に事欠かないシーズンであり、これらの選手たちの活躍が本作のデータにも反映されています。