『緋色の欠片』は、2006年にPlayStation 2で発売された女性向け恋愛アドベンチャーゲームで、以降PSP・DS・PS3など複数機種に移植され、追加要素を加えた愛蔵版も展開されたシリーズ第1作です。主人公・春日珠紀は両親の海外転勤に伴い、祖母の住む季封村へ戻ります。幼い頃の記憶を頼りに訪れた村で、彼女は「玉依姫」としての宿命を告げられ、刀「鬼斬丸」の封印を継ぐ役目を担うことになります。

珠紀の前には、鬼崎拓磨、鴉取真弘、狐邑祐一、大蛇卓、犬戒慎司といった守護者たちが現れ、彼らと共に儀式を進めながら、異形の存在との戦いに身を投じていきます。選択によって関係性や結末が変化し、恋愛と使命の狭間で揺れる珠紀の姿が描かれます。

2007年にはファンディスク『緋色の欠片 〜あの空の下で〜』がPS2で発売され、鬼斬丸の誕生秘話や千年前の真実が明かされる後日談が追加されました。2008年以降、DS・PSPに移植される際にはクリスマスイベントやショートシナリオ、カルトクイズなどが追加され、2010年にはそれらを統合した『緋色の欠片 愛蔵版』がPS2で登場。さらに2011年にはPS3版『緋色の欠片 愛蔵版 〜あかねいろの追憶〜』が発売され、アニメーション演出や新規シナリオ、事物名鑑などの機能が追加されました。