『花帰葬』(はなきそう)は、降り止まぬ雪によって滅びゆく世界を舞台に、過酷な運命を背負った二人の青年の旅路を描くビジュアルアドベンチャーゲーム。家庭用ゲーム機向けには、2005年09月22日にプロトタイプからPlayStation 2で発売されました。その後、2010年09月22日にはPlayStation Portable版も発売されています。本作は、同人サークルHaccaWorks*が2003年に発表したPCゲームを原作としており、コンシューマー化にあたって豪華声優陣によるフルボイス化や、グラフィックの高解像度化、追加シナリオの収録が行われています。世界を滅ぼす「玄冬」と、世界を救うために彼を殺さなければならない「花白」。矛盾する役割を持った二人が、箱庭のような閉じた世界で自身の存在意義と世界の真実を問いかけます。
ゲームプレイは、画面に表示されるテキストを読み進め、時折現れる選択肢によって物語の展開を変化させるオーソドックスなノベル形式で進行します。物語は章立てで構成されており、選択肢の選び方によって「救世主」や「箱庭」といったキーワードにまつわる謎が解き明かされていきます。エンディングは複数用意されており、悲劇的な結末から、世界の理に抗う結末まで、プレイヤーの選択が二人の運命を決定づけます。PSP版では、UMD2枚組であったPS2版の内容を1枚に収録し、メモリーディスク機能による快適な動作環境や、スクリーンショット機能などが実装されています。
本作は、淡く退廃的な色彩で描かれた独特のビジュアルと、志方あきこ氏が手掛ける多重録音を駆使した民族調の音楽が融合し、幻想的で儚い世界観が構築されています。三木眞一郎氏や斎賀みつき氏らによる演技が、重厚なシナリオに深みを与えており、争いや罪、そして救済といった哲学的なテーマが、詩的なテキストとともに語られます。本編クリア後には、外伝的なショートストーリー「a petite episode」も収録されており、本編とは異なる角度からキャラクターたちの日常や関係性を垣間見ることが可能です。
原作を制作したHaccaWorks*は、本作で注目を集めたクリエイター集団です。音楽を担当した志方あきこ氏は、本作の楽曲で高い評価を得てメジャーデビューを果たしました。本作の音楽や世界観の構築に興味を持った方は、志方あきこ氏のサウンドトラックや、設定資料集などを参照することで、ゲーム内の伝承や言語設定などの背景をより深く理解することができます。













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