『魂響〜御霊送りの詩〜』は、現代日本を舞台に、人ならざるモノを狩る「霊能力者」たちの過酷な運命と恋を描く伝奇恋愛アドベンチャーゲーム。2006年06月29日にイエティからPlayStation 2で発売されました。その後、2011年12月15日にはサイバーフロントからPlayStation Portableへの移植版も発売されています。本作は、PCゲームブランドあかべぇそふとつぅのデビュー作『魂響〜たまゆら〜』を原作としつつ、コンシューマー向けにシナリオを大幅にリファイン(再構築)した作品です。主人公・秋月冬馬は、古来より続く退魔の一族に生まれ、義妹のかすみや実妹の那美と共に、夜の街を徘徊する怨霊や妖怪を浄化する「霊狩り」の任務を遂行しています。

ゲームプレイは、テキストを読み進めながら選択肢を選んで物語を分岐させるオーソドックスなアドベンチャー形式です。物語は、ある日の任務中に起きた悲劇をきっかけに大きく動き出します。最強と謳われた「鬼」との戦闘で、妹の那美が瀕死の重傷を負い、彼女を救うために禁忌とされる術に手を染めるか否か、主人公は究極の選択を迫られます。PS2版では、原作のシナリオを再構成することで物語の整合性とドラマ性が高められており、ヒロインたちとの恋愛だけでなく、家族の絆や一族の宿命といった重厚なテーマが深く掘り下げられています。

本作の独自性は、伝奇バトルものとしての熱い展開と、繊細な心理描写が融合している点です。有葉氏が手掛ける美麗なキャラクターデザインと、上松範康氏(Elements Garden)らによる壮大な楽曲が、シリアスな世界観を彩ります。戦闘シーンでは、霊的な武器「神器」を用いた派手なエフェクト演出や、豪華声優陣による迫真の演技が盛り込まれており、静かな日常パートとのコントラストがプレイヤーを引き込みます。

原作ブランドのあかべぇそふとつぅは、本作以降も『G線上の魔王』や『車輪の国、向日葵の少女』といったシナリオ重視の名作を次々と世に送り出しました。本作はその原点にあたる作品であり、伝奇バトルというジャンルへの挑戦が詰まっています。日本の神話や妖怪伝承をベースにした世界観に興味を持った方は、民俗学の書籍や妖怪図鑑などを参照することで、作中に登場する用語や設定の背景をより深く理解することができます。

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