『ザ・キング・オブ・ファイターズXI』(THE KING OF FIGHTERS XI)は、2006年6月22日にPlayStation 2向けに発売された2D対戦格闘ゲームで、KOFシリーズの本編第11作目です。前作『KOF2003』から続く「アッシュ編」の第2章にあたり、シリーズの新たな方向性を示す意欲作として高く評価されました。
PS2版では、アーケード版をベースにしつつ、家庭用ならではの追加要素が多数盛り込まれています。まず、登場キャラクターは総勢46名以上に拡大され、アーケード版では使用できなかった「紫苑」「禍忌(マガキ)」に加え、『バトルコロシアム』からのゲストキャラや「舞」「ロバート」「ほたる」などの隠しキャラも使用可能です。さらに、アレンジBGMの選択やギャラリーモード、チャレンジモード、カラーエディット機能など、やり込み要素も充実しています。
ゲームシステムは、前作で導入された「マルチシフトシステム」をさらに洗練。リアルタイムでのキャラ交代や、スキルゲージを活用した「クイックシフト」「セービングシフト」「ドリームキャンセル」など、スピーディーかつ戦略的なバトルが展開されます。特に、3人のキャラを連携させてコンボをつなぐ「シフトコンボ」は本作の醍醐味であり、爽快感と奥深さを両立したシステムとして高く評価されました。
演出面では、新世界楽曲雑技団によるBGMの復活や、ヒロアキ氏によるキャラクターイラスト、トランプをモチーフにしたスタイリッシュなUIなど、シリーズの中でも特に完成度の高い一本とされています。なお、PS2版ではアーケードモードとアレンジモードの2種類が選択可能で、アレンジモードでは一部キャラの性能や演出が調整されています。
一方で、ジャンプ攻撃の強さや一部キャラのバランス(特にクーラや牙刀など)については賛否が分かれましたが、それを補って余りある自由度と爽快感が本作の魅力です。
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