『Separate Hearts』は、記憶を失った少年が消えた恋人の行方と自身の過去を探し求める恋愛ミステリーアドベンチャーゲーム。2006年02月23日にKIDからPS2で発売されました。物語の主人公・星川純一は、バイク事故によって軽度の記憶障害を負ってしまいます。久しぶりに登校した教室で彼が目にしたのは、ぽつんと空いた一つの席。そこは、かつて純一と交際しており、現在は行方不明となっている少女「ひかり」の席だと教えられます。しかし、純一には彼女に関する記憶が一切ありません。実感の湧かない喪失感を抱えながら、彼は周囲の少女たちとの交流を通じて、失われた「ひかり」の面影と真実を追い求めることになります。
ゲームプレイは、テキストを読み進めながら選択肢を選んで物語を分岐させるオーソドックスなアドベンチャー形式です。プレイヤーは主人公の視点となり、学校生活や放課後のイベントを通じてヒロインたちと親密になっていきます。しかし、本作は単なる恋愛ゲームではなく、ミステリー要素が強く組み込まれています。会話の端々に現れる違和感や、ヒロインたちが隠している秘密、そして「ひかり」という存在の正体。断片的な情報を繋ぎ合わせ、記憶のパズルを完成させることが、物語の核心に迫るための鍵となります。
本作の特徴は、KID作品の代名詞とも言える「記憶」と「認識」をテーマにしたシリアスなシナリオ構成です。主人公の記憶がないことをいいことに、周囲の人間関係や事実が歪められている可能性が常に付きまといます。攻略対象となる5人のヒロインたちはそれぞれ魅力的ですが、彼女たちとの個別ルートを進めることは、同時に「ひかり」の謎から遠ざかることを意味する場合もあります。恋愛の甘さと、真実に近づくにつれて深まるサスペンスが同居し、プレイヤーを予想外の結末へと導くミステリアスな作品となっています。
本作の開発・発売元であるKIDは、『Memories Off』シリーズや『Ever17』などで知られる、恋愛アドベンチャーゲームの一時代を築いたメーカーです。本作もその系譜に連なる作品であり、切ない恋愛模様とミステリーを融合させた作風が特徴です。記憶喪失というギミックを用いたミステリーに興味を持った方は、同様のテーマを扱った小説や映画に触れることで、失われた記憶を取り戻す過程の恐怖とカタルシスをより深く味わうことができます。













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