『ラチェット&クランク4th ギリギリ銀河のギガバトル』は、2005年にインソムニアックゲームズが開発し、ソニー・コンピュータエンタテインメントよりプレイステーション2向けに発売されたアクションゲームです。本作はシリーズ第4作目にあたり、従来の探索型アクションから一転して、闘技場形式のミッション攻略を中心とした構成が採用されています。舞台は銀河の辺境「シャドウセクター」に存在する非合法TV番組「ドレッドゾーン」であり、主人公ラチェットは強制的に命懸けのバトルショーへ参加させられることになります。

ゲームシステムは、複数のチャレンジミッションを選択して攻略する形式で構成されており、従来の惑星探索やクランクとの連携アクションは排除されています。代わりに、ラチェットを支援するバトルボット「マースィ」と「グリーン」が登場し、戦闘やギミック解除を補助する役割を担います。武器(ガラメカ)はシリーズ最小の10種に限定されているものの、アルファチューンとオメガチューンによるカスタマイズ機能が導入されており、性能や特殊効果を自由に調整できる設計です。また、シリーズ初の2人協力プレイにも対応しており、マルチプレイ時はバトルボットが登場しない仕様となっています。

物語は、ラチェットが銀河の英雄としての人気を逆手に取られ、ヴォックスによって拉致されるところから始まります。彼は「ギリギリロック」と呼ばれる爆発装置を首に装着され、視聴率が下がると命を落とすという過酷な状況に置かれます。番組内では、かつてのヒーロー「エース・ハードライト」や、異形のボスグラディエーター「シェルショック」「リアクター」「エビサレイター」などとの死闘が展開され、ラチェットは次第に視聴者の支持を集めていきます。最終的には、ヴォックスの陰謀を阻止し、ステーションの爆破を回避することで、囚われたヒーローたちを解放する展開が描かれます。

演出面では、ブラックユーモアを交えた実況ロボット「ダラス」と「ファニータ」の掛け合いや、視聴率至上主義の番組構成など、メディア批判的な要素が強調されています。また、シリーズ常連のキャラクター「クランク」や「ふとっちょアル」は戦闘には参加せず、技術支援や装備開発を担当する役割に変更されています。全体としては、シリーズのマンネリ打破を目的とした実験的な構成であり、従来の探索型アクションとは異なるプレイ体験を提供する作品となっています。