『必殺裏稼業』は、法で裁けぬ悪を闇に葬る「仕事人」となり、江戸の闇を駆ける時代劇ステルスアクションです。2005年9月22日に元気からPlayStation 2で発売されました。テレビドラマ『必殺シリーズ』への強烈なオマージュが捧げられた作品であり、プレイヤーは鍼医者や帯職人といった表の顔を持ちながら、夜になれば悪徳商人や悪代官を始末する裏稼業のプロとして活動します。
ゲームは、町の人々から聞き込みを行ってターゲットの情報を集める「昼のパート」と、実際に屋敷へ潜入して暗殺を実行する「夜のパート」で構成されています。夜のパートでは、敵に見つからないように背後から忍び寄り、一瞬の隙を突いて華麗な必殺技を叩き込みます。針で急所を突いたり、紐で首を絞めたりといった仕事人ならではのアクションに加え、「帯回し(あ〜れ〜)」に興じている悪代官を現場で成敗するといった、時代劇のお約束シチュエーションを自らの手で再現できる点が大きな魅力です。
開発元の「元気」らしい、こだわりの演出とB級感が同居した作品です。必殺技が決まった瞬間にレントゲン写真のように骨が砕ける演出が入ったり、殺しの後にクールな決め台詞を吐いたりといった「ごっこ遊び」の楽しさは一級品です。一方で、ステルスアクションとしての挙動は大味で、敵のAIが賢くなかったり、見つかった後のチャンバラが単調だったりと、ゲームシステム部分の粗さは否めません。それでも、時代劇の美学をここまで忠実にゲームに落とし込んだ作品は珍しく、特有のカタルシスを味わえる良作バカゲーとして愛されています。
仕事を終えた後に一服する、あの渋い時間を再現するには小道具が重要です。実際にタバコを吸わなくても、アンティーク調の「煙管(キセル)」をインテリアとして飾るだけで、部屋に江戸のハードボイルドな空気が漂います。職人の手による金属の質感は、仕事道具の手入れをする時のような静かな充足感を与えてくれます。













コメントを追加