『MVPベースボール2005』は、2005年7月7日にエレクトロニック・アーツからPlayStation 2向けに発売された、MLB(メジャーリーグベースボール)を題材としたリアル志向の野球ゲームです。シリーズの中でも特に評価が高く、MLBゲームの金字塔と称されることもある一本です。

本作では、MLBの全30球団に加え、マイナーリーグ(AAA、AA、A)まで網羅されており、実在選手が多数登場します。2005年当時の日本人メジャーリーガーも収録されており、イチローや松井秀喜らの活躍をゲーム内で再現することができます。グラフィックは当時としては非常に高精細で、選手のモーションやスタジアムの雰囲気もリアルに描写されています。

操作面では、投打守すべてにおいて細かな調整が可能で、たとえば送球の強弱やスライディングの方向、リードの大きさまでプレイヤーがコントロールできます。特に「ヒッターズ・アイ」システムは、打者が球種を見極める能力を視覚的に表現した革新的な要素で、打撃の駆け引きに深みを与えました。また、球団経営を体験できる「オーナーモード」では、球場の建設やチケット価格の設定、売店の配置など、経営シミュレーションとしての側面も楽しめます。

実況は英語音声で、アメリカのテレビ中継さながらの雰囲気を演出。日本語ローカライズはされていないものの、野球ファンであれば直感的に楽しめる作りになっています。難易度はやや高めですが、慣れるほどに奥深さが増す“スルメゲー”として、今なお根強い人気を誇ります。