『ガンダムトゥルーオデッセイ 〜失われしGの伝説〜』は、2005年6月30日にバンダイからPlayStation 2向けに発売されたコンピュータRPGで、開発はベックが担当しました。北米では『MS Saga: A New Dawn』のタイトルで2006年にリリースされています。ジャンルは完全なターン制RPGで、ガンダムシリーズのモビルスーツをカスタマイズしながら冒険を進めるという、シリーズでも異色の構成を持つ作品です。

物語は、あらゆる物質を創造できる「Gシステム」が暴走し、世界を壊滅させた「大破壊」から60年後の世界が舞台です。主人公トラッシュは、孤児院を襲撃した黒いザクへの復讐を誓い、弟分のフリッツと共に旅に出ます。やがて彼らは、Gシステムを巡る陰謀と、ザース一族にまつわる壮大な真実に巻き込まれていくことになります。

ゲームの最大の特徴は、モビルスーツのパーツ単位でのカスタマイズです。頭部・胴体・腕部・脚部・アーマー・オプションユニットを自由に組み合わせることで、性能や外見を自在に調整できます。武器も格闘・射撃・特殊・腕部装備・盾などに分類され、装備枠にパズルのように配置する独自のシステムが採用されています。戦闘はターン制で、EN(エネルギー)を消費して行動する形式となっており、ブースト技やテクニックといった特殊行動も存在します。

登場するモビルスーツは宇宙世紀を中心に、『Gガンダム』『W』『0080』『0083』『Ζ』『ZZ』『逆襲のシャア』などから多数登場しますが、『X』『∀』『SEED』などは未参戦です。ただし、ケンプファーやジム・スナイパーII、サザビー、νガンダム、ゴッドガンダム、デスサイズヘルなど、ファン人気の高い機体はしっかり網羅されています。なお、すべてのMSはデフォルメされたSD体型で描かれていますが、戦闘演出は比較的リアル寄りのモーションで構成されています。

キャラクターデザインは『∀ガンダム』の安田朗(あきまん)が担当しており、当初は『∀』の続編として企画されていたことも明かされています。主題歌はsavage geniusの「Take a chance.」。演出面では、女子高校生によるモーションキャプチャーを用いたというユニークな制作背景もあります。