『喧嘩番長』は、2005年6月9日にスパイクよりPlayStation 2用に発売されたツッパリアクションアドベンチャーゲームで、シリーズの原点となる初代作品です。プレイヤーは極東高校の番長・田中ヤスオ(名前変更可能)を操作し、極東線沿線に存在する他校の不良たちと拳を交えながら、街の覇権を握るために戦います。正義感と友情を重んじる“漢”の生き様を、喧嘩・恋愛・人助けといった多彩な要素を通じて描いています。

本作では、敵と目を合わせて威圧する「メンチビーム」や、言葉の応酬で主導権を握る「啖呵合戦」、行動によって上昇する「男気メーター」など、独自のシステムが多数導入されています。これらの要素が、単なるアクションゲームではなく、不良文化をテーマにした“生き様シミュレーション”としての個性を際立たせています。累計出荷本数は157,000本を記録し、スパイクの看板タイトルとして定着しました。

イメージキャラクターには嶋大輔、ナレーションには田中信夫を起用。オープニングには映画『仁義なき戦い』のテーマ曲、エンディングには嶋のヒット曲「男の勲章」が使用されるなど、昭和ヤンキー文化を強く意識した演出が施されています。初回生産版には漫画『番長連合』とのコラボ冊子が同梱され、メディアミックス展開も行われました。

2009年10月29日には、PSP向け移植版『喧嘩番長ポータブル』が発売され、携帯機でも本作の世界観を楽しめるようになりました。移植にあたり、操作性やUIが最適化されており、シリーズの原点を手軽に体験できる作品として再評価されています。