『Like Life an hour』は、ある日突然、身の回りのあらゆる「モノ」が人間(主に美少女)に見えるようになってしまった主人公を描く、ドタバタ学園恋愛アドベンチャーです。2005年4月28日にGN SoftwareからPlayStation 2で発売されました。本作はPCゲームブランドHOOK(現・HOOKSOFT)の出世作『Like Life』のコンシューマー移植版であり、タイトルの「an hour」には移植に伴う追加要素などの意味が込められています。プレイヤーは両親不在の家で、愛用の携帯電話が変身した少女「姫子」や、幼なじみたちと共に、騒がしくも温かい共同生活を送ります。
このゲームの最大の特徴は、徹底した「擬人化」の世界観です。ヒロインとなる携帯電話(姫子)をはじめ、冷蔵庫、掃除機、果ては通学路の信号機やポストまでが個性豊かなキャラクターとして登場し、主人公と会話を繰り広げます。単にモノが女の子になるだけでなく、例えば消しゴムの少女は「身を削って働く」ことを誇りに思っていたり、信号機の少女は「交通ルールを守らない人」に厳しかったりと、それぞれの役割に基づいた性格付けがなされている点が秀逸です。彼女たちとの交流を通じて、プレイヤーは「モノを大切にする心」や、当たり前にある日常の尊さを再確認することになります。
一見すると奇抜な設定だけのイロモノ作品に見えますが、その根底にはHOOK作品特有の「泣きゲー」としての熱いシナリオが流れています。ギャグパートでは勢いのあるボケとツッコミで笑わせつつ、シリアスパートでは擬人化されたモノたちの儚い運命や、主人公との絆が涙を誘う展開へと繋がっていきます。PS2版ではPC版のアダルト要素が排除された代わりに、新オープニング曲や新シナリオが追加されており、より多くのプレイヤーが楽しめる健全なラブコメディとして再構築されています。
作中で主人公の相棒となる携帯電話「姫子」のように、現代人にとってスマートフォンは片時も離せないパートナーです。充電中の無防備な姿も愛らしく見せるための専用スタンドや、画面を綺麗に保つためのクリーニングクロスは、デジタルな相棒への感謝を示すためのささやかなプレゼントになります。













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