『ウィザードリィ サマナー』(PlayStation 2版)は、2005年4月21日にタイトーから発売された3DダンジョンRPGで、2001年にメディアリングより発売されたゲームボーイアドバンス版の移植作にあたります。タイトルにある「召喚師(サマナー)」の存在を前面に押し出した構成はそのままに、グラフィックや演出を据え置き機向けに調整した内容となっていますが、ゲームバランスやシステム面の問題点はGBA版からほとんど改善されておらず、むしろ読み込み速度の低下やUIの不親切さなど、移植に伴う劣化が指摘されました。

召喚モンスターが通常キャラクターと同じパーティ枠を消費する仕様や、経験値とゴールドの取得バランスが逆転しているような設計ミス、敵レベルが異常に上昇するバグなど、根本的なゲーム設計の不備がそのまま残されており、シリーズファンからは厳しい評価を受けています。一方で、グラフィックやBGMには一定の評価があり、施設や登場人物のビジュアル面では世界観の表現に工夫が見られます。ゲーム内容は短めで、召喚師を中心とした構成を活かすにはプレイヤー側の工夫が求められる設計です。