『テクモヒットパレード』は、2004年にPlayStation 2向けに発売されたオムニバス形式のレトロゲーム集であり、1980年代にテーカン(後のテクモ)がアーケードで展開していた作品群を収録した構成です。本作は、当時のゲームセンター文化を再現することを目的としており、ゲーム本編だけでなく、ポスターやインストカードなどの資料も収録されている点が特徴です。収録タイトルは全7作品で、いずれもアーケード版をベースにした移植が施されています。

収録作品には『スターフォース』『ソロモンの鍵』『ボンジャック』『プレアデス』『SENJYO』『テクモカップ』『ピンボールアクション』が含まれており、ジャンルはシューティング、アクション、パズル、スポーツなど多岐にわたります。各タイトルは、ゲーム選択画面から個別に起動可能で、難易度や残機数などの設定変更も対応しています。ただし、セーブ機能は搭載されておらず、ハイスコアの記録はゲーム終了時に消去される仕様です。

画面表示に関しては、縦画面のアーケード作品に対応するため、画面比率の調整機能が搭載されています。R2+十字キーによる縦方向の拡大縮小、L2+十字キーによる上下位置調整が可能で、プレイヤーの好みに応じた表示設定が行える設計です。これにより、縦長画面の作品でも違和感なくプレイできる環境が整えられています。なお、オープニングにはインディーズバンド「THE SECT」による楽曲が使用されており、演出面にも独自の工夫が施されています。

一部の収録作品では、BGMの権利関係により原曲が削除されているケースも存在します。特に『ボンジャック』では、アニメ「スプーンおばさん」のオープニング曲が使用されていたが、本作では無音状態となっており、当時の雰囲気を完全に再現できていない点が指摘されています。また、『テクモカップ』はオリジナルのトラックボール操作を再現できておらず、操作性に課題があるとされています。全体として、懐かしさと再現性を重視した構成ながら、完全移植とは言い難い仕様も含まれている作品です。

収録タイトル

  • プレアデス
  • SENJYO
  • スターフォース
  • ボンジャック
  • テクモカップ
  • ピンボールアクション
  • ソロモンの鍵