『W〜ウィッシュ〜』は、過去の事故で両親と記憶を失った主人公と、彼を取り巻くヒロインたちが織りなす純愛とミステリーを描いた恋愛アドベンチャーゲーム。2004年09月30日にプリンセスソフトからPlayStation 2で発売されました。物語は、主人公・遠野潤和が双子の妹である泉奈と共に暮らす平穏な日常に、かつて「お兄ちゃん」と慕ってくれていた幼馴染・井ノ原春陽が現れることから動き出します。失われた記憶の断片と、彼女たちが抱える想いが交錯し、隠された真実へと近づいていくドラマチックな展開が用意されています。
プレイヤーは潤和の視点となり、私立桜浜学園での学園生活やヒロインたちとの交流を通じて、空白の過去を埋める手がかりを探していきます。テキストを読み進めながら出現する選択肢を選ぶことで、泉奈や春陽、そして学園の先輩や後輩といった攻略対象キャラクターとの親密度が変化し、物語の結末が分岐します。明るく賑やかなラブコメディの側面を持ちつつも、物語の根底には主人公が失った記憶や両親の事故に関する重大な秘密が横たわっており、それらが明らかになるにつれてシリアスで切ない純愛ストーリーへと変貌を遂げます。
特筆すべきは、如月水氏が手掛ける繊細で透明感のあるキャラクターデザインと、タイトルにある「W(ダブル)」が示す重層的なテーマ性です。泉奈と春陽という二人のメインヒロインを軸に、過去と現在、あるいは二つの願いといった対比構造が物語に深みを与えています。また、本作はゲーム発売とほぼ同時期にテレビアニメ化も行われるなど大規模なメディアミックス展開がなされましたが、ゲーム版ではアニメとは異なるキャラクターデザインや展開が採用されており、それぞれの媒体で異なる解釈の「W」の世界を楽しむことができるのも大きな特徴です。
開発元のプリンセスソフトは、数多くの美少女ゲームをコンシューマー機へ移植したブランドですが、本作はオリジナルタイトルとして制作されました。キャラクター原案の如月水氏は、柔らかなタッチで少女たちの可愛らしさを表現することに定評があります。アニメ版との違いや、作品世界をより深く知りたい方は、テレビアニメ『W〜ウィッシュ〜』の映像ソフトや、関連するドラマCDなどをチェックすることで、メディアミックスならではの広がりのある物語を堪能することができます。













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