『アンジェリーク エトワール』PlayStation 2版は、2004年に発売された「アンジェリーク」シリーズ第4作であり、シリーズ初のPS2対応タイトルとして位置づけられています。本作では、従来の主人公「アンジェリーク」ではなく、新たに登場した少女「エンジュ」が主人公を務める構成となっており、神鳥の宇宙と聖獣の宇宙という二つの世界を舞台に、宇宙育成と恋愛を軸とした物語が展開されます。
ゲームシステムは、育成型恋愛シミュレーションを基盤としながらも、宇宙船による移動や守護聖の説得といった新要素が導入されています。プレイヤーは「伝説のエトワール」として選ばれたエンジュとなり、聖獣の宇宙の育成を支援する使命を果たすことになります。育成状況に応じて恋愛エンディングや育成エンディングが分岐する構造が採用されており、従来作品以上にプレイヤーの選択が物語に影響を与える設計です。
PS2版では、Windows版からの移植に際して、イベントスチルや音声の追加、エンディングムービーの強化など演出面での改良が施されています。また、「想い出」機能の搭載により、過去に体験したイベントやムービー、BGMをアルバム形式で鑑賞できる仕様が導入されています。さらに、30か所以上のデートスポットや季節・時間帯による演出変化、アイテムプレゼントや手作りドリンクなど、恋愛演出の多様化が図られています。
登場キャラクターは、神鳥・聖獣両宇宙の守護聖18名に加え、女王・補佐官・協力者などを含む総勢20名以上が登場します。守護聖たちはそれぞれ異なる「サクリア」の力を司っており、育成や交流を通じて個別のエピソードが展開されます。キャラクターデザインは由羅カイリ氏が担当し、アニメーション制作はゆめ太カンパニーが手掛けており、シリーズの美術的統一感と演出力が維持されています。
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