『ヴァン・ヘルシング』は、2004年にプレイステーション2向けに発売されたアクションアドベンチャーゲームです。本作は、同年公開の映画『ヴァン・ヘルシング』を原作としたゲーム化作品であり、映画の世界観をベースにしながらも、独自のシナリオ展開とゲームシステムが導入されています。プレイヤーは、モンスターハンター「ヴァン・ヘルシング」として、ドラキュラ伯爵やフランケンシュタインの怪物、狼男などのクラシックモンスターと戦う構成です。
ゲームシステムは、銃撃と近接攻撃を組み合わせたスタイリッシュな戦闘を中心に構成されており、デビルメイクライシリーズに類似した操作感が特徴です。ヴァン・ヘルシングは、二丁拳銃やトージョーブレード、ショットガン、ボウガンなど多彩な武器を使用可能であり、敵から得られる「オーブ」を消費して新たな技や強化アイテムを購入するショップ機能も搭載されています。また、グラップリングフックによる移動やコンボの開始など、立体的なアクションが可能な設計です。
物語は、映画版の設定を踏襲しつつも、ゲーム独自の展開が加えられています。パリでのジキル博士との戦闘から始まり、トランシルバニアの村やフランケンシュタイン城、ドラキュラ城などを舞台に、ヴァン・ヘルシングの過去や記憶喪失の謎が徐々に明かされていく構造です。映画では描かれなかったキャラクターとの関係性や、ヴァン・ヘルシングの正体に関する設定がゲーム内で補完されており、原作ファンに向けた拡張的な演出が施されています。
演出面では、映画の主演俳優ヒュー・ジャックマンがゲームでもヴァン・ヘルシング役として登場しており、音声やモーションにおいても映画との連携が図られています。また、PS2版では480pのプログレッシブ表示に対応しており、映像面でのクオリティ向上が図られています。一方で、操作性や難易度に関する評価は分かれており、足場の滑りや敵の強さ、オートセーブ仕様などに対する批判も見られます。全体としては、映画の世界観を拡張しつつ、アクション性を重視した構成が特徴のタイトルです。
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