『プリンセスメーカー』シリーズの中でも、PlayStation 2版として2004年に登場した『プリンセスメーカー2』は、1993年にPC-9801で発売された原作をベースにしたリファイン移植作品です。原画を担当した赤井孝美が自ら監修し、グラフィックはフルカラー化され、登場キャラクターには音声が追加されるなど、現代のプレイヤーにも親しみやすい仕様へと進化しました。発売後は廉価版の展開や、後年のSteam版『リジェネレーション』へとつながる流れを生み出しました。

プレイヤーは、戦乱で孤児となった少女を引き取り、8年間の育成を通じて彼女を一人前のレディへと導きます。月ごとのスケジュールを組み、勉強やアルバイト、冒険などを通じてパラメータを成長させていきます。武者修行ではモンスターとの戦闘が発生し、勝利することで名声や資金を獲得できます。娘の性格や能力は、血液型や星座の組み合わせによって変化し、育成方針によって多彩なエンディングが用意されています。

季節ごとに開催される収穫祭では、料理大会や芸術祭などに参加し、優勝すれば賞金と知名度を得ることができます。娘の反応や行動には個性があり、時には冒険を嫌がって逃げ出すこともあるため、成長に応じた計画が求められます。バカンスでは専用グラフィックが表示され、娘の疲労を癒す演出として、育成の合間に彩りを添えます。エンディングは30種類以上存在し、将軍や魔法使い、平凡な主婦など、育て方次第で未来が大きく変化します。

PS2版は、16色だった原作グラフィックをフルカラーに刷新し、音声追加による演出強化が図られています。UIは一部改善され、育成中のパラメータ確認やスケジュール管理が快適に行えるよう調整されています。シリーズの原点を現代風に再構築した本作は、育成シミュレーションの魅力を再認識させる一作となっています。