『CROSS†CHANNEL』は、閉ざされた世界で繰り返される一週間を描く学園青春アドベンチャーゲーム。2004年03月18日にKIDからPS2で『CROSS†CHANNEL 〜To all people〜』として発売されました。その後、2010年にはPSP版が、2011年04月14日には追加要素を加えたXbox 360版『CROSS†CHANNEL 〜In memory of all people〜』が、さらに2014年06月26日にはPS3とVitaで『CROSS†CHANNEL 〜For all people〜』が発売されています。物語の舞台は、高い「適応係数」を持つ生徒たちが集められた群青学院。放送部に所属する主人公・黒須太一は、夏合宿から帰還した直後、世界から自分たち以外の人間が消滅していることに気づきます。8人だけが残された世界で、彼らはラジオ放送を通じて外部との接触を試みますが、世界は一週間を経過するとリセットされ、記憶を失って最初の日へと戻ってしまうのです。
ゲームプレイは、テキストを読み進めながら選択肢を選んで物語を分岐させるアドベンチャー形式です。本作の最大の特徴は、この「ループ構造」をシステムとシナリオの両面に組み込んでいる点です。プレイヤーは何度も同じ一週間を繰り返しながら、少しずつ異なる行動をとることで、放送部の仲間たちが抱える心の闇やトラウマに触れていきます。ループによって蓄積される情報は、新たな選択肢を解放し、閉塞した状況を打破する鍵となります。Xbox 360版以降では、主人公以外の視点で描かれる新規エピソードやイベントCGが追加され、物語の裏側や登場人物たちの心情をより深く理解できるようになりました。
本作の独自性は、田中ロミオ氏が手掛けた、軽妙でありながら哲学的な深みを持つテキストと、主人公・黒須太一の特異なキャラクター造形にあります。彼は他者と深く関わろうとすればするほど傷つけ、拒絶してしまう歪んだ精神性を持っています。繰り返される日常の中で、彼がどのように他者と向き合い、どのような「答え」を見つけ出すのか。孤独と断絶、そして繋がりをテーマにした重厚な物語は、多くのプレイヤーに強烈なインパクトを与え、ループものアドベンチャーの金字塔として語り継がれています。
本作のシナリオライターである田中ロミオ氏は、ライトノベル『人類は衰退しました』などでも知られる作家です。彼の描く、シニカルでユーモラス、それでいて核心を突く文章は「ロミオ節」と呼ばれ、多くのフォロワーを生み出しました。本作で見られるような「ループ」や「閉鎖空間」における青春群像劇に興味を持った方は、氏の小説作品を読むことで、その独特の世界観と鋭い人間観察眼をより深く味わうことができます。













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