『SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS』は、2003年にアーケード(NEOGEO)で稼働を開始し、同年12月25日にPlayStation 2版が発売された2D対戦格闘ゲームです。SNKプレイモアが開発・発売を手がけ、カプコンとのクロスライセンス契約に基づいて制作された「SNK VS. CAPCOM」シリーズの一作であり、SNK側主導で展開された唯一の本格対戦型タイトルでもあります。
本作は、SNKとカプコンの人気キャラクターたちが1対1で激突するドリームマッチ形式を採用しており、シリーズ伝統の3on3チームバトルではなく、個人戦に特化した構成となっています。操作系はKOFシリーズに準拠した4ボタン制で、基本的な操作感や演出もSNK寄りに設計されているのが特徴です。登場キャラクターは、SNK側からは草薙京、八神庵、テリー・ボガード、ゲーニッツ、Mr.カラテ、アテナ(初代)など、カプコン側からはリュウ、ケン、春麗、ベガ、豪鬼、デミトリ、ゼロ(ロックマンゼロ)など、総勢36名以上が参戦。さらに、暴走庵や洗脳されたケン、本気になったMr.カラテ、真・豪鬼といった中ボス・最終ボスも登場し、条件を満たすことで使用可能になります。
ゲームシステム面では、3ゲージ制の「グルーヴパワーゲージ」や、体力が一定以下になると1回だけ使用できる「EXCEED」など、独自の要素が多数導入されています。特に、ゲージMAX時に発動できる「どこでもキャンセル」や「スーパーキャンセル」は、コンボの自由度を大きく広げる要素として機能しています。また、全キャラクターに対して用意された対戦前の掛け合いや、個別エンディングの存在など、キャラゲーとしての演出も充実しており、ファンにはたまらない仕様となっています。
一方で、ゲームバランスや操作性、演出面においては賛否が分かれ、特に溜めコマンドの仕様やガードキャンセルステップの強さ、キャラ間の性能差などが議論の的となりました。それでも、SNKとカプコンのキャラクターがKOF風のドット絵で共演するというビジュアル的な魅力や、デミトリの「ミッドナイトブリス」によるブリス化演出など、今なお語り草となる要素も多く、独自の存在感を放つ作品です。
2024年には、Steam、Nintendo Switch、PlayStation 4、GOG.com向けに復刻版がリリースされ、ロールバックネットコードやトーナメントモード、ギャラリーモードなどの新機能が追加されました。これにより、現代の対戦環境にも対応し、再評価の機運が高まっています。
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