『三國志IX』は、2003年12月20日にコーエーから発売されたPlayStation 2用歴史シミュレーションゲームで、「三國志」シリーズ第9作。2004年9月2日には追加要素を収録した「パワーアップキット」同梱版(PS2_WPK)、2011年3月10日には同パワーアップキット版を移植したPlayStation Portable版(PSP_WPK)が発売された。

本作は『VII』『VIII』で採用された武将プレイから再び君主プレイに回帰し、中国全土を一枚マップで表現。都市間の移動や戦闘、内政、外交がすべて同一画面上で進行するため、戦況の変化や敵軍の動きをリアルタイムに近い感覚で把握できる。時間は10日単位で進行し、戦略フェイズで武将に指示を出し、進行フェイズで行動が実行される。

戦闘は自動進行型で、部隊には最大5人の武将を配属可能。兵法の組み合わせによる連鎖発動や、謀略系戦法による行動制限など、事前の編成が勝敗を左右する。パワーアップキット版では進軍ルートを自由に設定できる「中継点」機能、登録武将の詳細編集、兵士抜擢システム、都市兵法などが追加され、戦略性とやり込み要素が強化された。

グラフィックは地形や都市の位置関係を俯瞰的に描き、戦闘や移動の様子を視覚的に把握しやすくしている。BGMは栗山和樹が担当し、シナリオごとの雰囲気を盛り上げる。シナリオは史実・ifを含む全20本(追加シナリオ含む)で、登場武将はシリーズ最多クラスの650名に及ぶ。