『メダル・オブ・オナー ライジングサン』は、2003年12月4日にエレクトロニック・アーツよりPlayStation 2およびニンテンドーゲームキューブ向けに発売されたミリタリーFPS。本作は、シリーズで初めて第二次世界大戦の「太平洋戦線」に焦点を当て、真珠湾攻撃からガダルカナル島の戦い、そしてクワイ川などアジア・太平洋地域の激戦地を舞台にした一人称視点のシューティングゲームです。プレイヤーはアメリカ海兵隊員ジョセフ・グリフィン伍長となり、日本軍の猛攻から生き延びると同時に、戦火の中で生き別れた弟ドニーを探し出すための過酷な任務へ身を投じます。
物語の幕開けとなる真珠湾攻撃のステージでは、崩壊する戦艦カリフォルニアからの決死の脱出劇が描かれ、周囲で爆発や悲鳴が飛び交う戦場のカオスを圧倒的な臨場感で体験できます。従来のヨーロッパ戦線とは異なり、鬱蒼としたジャングルや湿地帯での戦闘が多く、木々の隙間から突如として現れる日本兵との接近戦や、巧妙に配置されたトーチカの攻略など、緊張感あふれるゲリラ戦への対処が求められます。また、日本人の声優を起用した日本兵の音声や、当時の記録映像を使用した演出が、戦争映画のような没入感を高めています。
本作では、ストーリーモードを画面分割で2人で進められる「協力プレイ（Co-op）」が実装されており、友人と連携して敵陣を突破する戦略的な楽しさが味わえます。さらに、対戦モードも充実しており、最大4人でのデスマッチなどを通じて、当時の武器や兵器を駆使した熱い駆け引きを楽しむことが可能です。史実に基づいた重厚な世界観の中で、戦争の悲惨さと兵士たちの絆を描いたドラマチックな大作となっています。
本シリーズの原点となる『Medal of Honor（メダル・オブ・オナー）』は、1999年にエレクトロニック・アーツよりPlayStation用ソフトとして発売されたFPSです。映画監督スティーヴン・スピルバーグが映画『プライベート・ライアン』の撮影中に着想を得て、自身の制作会社DreamWorks Interactiveを通じて開発した作品として知られています。徹底した時代考証と映画的な演出手法をゲームに持ち込み、「第二次世界大戦FPS」というジャンルを確立させた記念碑的なタイトルであり、本作『ライジングサン』もその理念を受け継いで制作されています。
コメントを追加