『零 ~紅い蝶~』は、2003年11月27日にテクモよりPlayStation 2専用ソフトとして発売された和風ホラーアクションアドベンチャーゲーム。 零シリーズ第2作目にあたり、双子の姉妹「天倉澪」と「天倉繭」が“地図から消えた村”皆神村に迷い込み、怨霊に満ちた廃村から脱出を試みる物語が展開されます。前作『零 ~zero~』で確立された「射影機」を用いた戦闘を継承しつつ、探索範囲を村全体へ拡張し、恐怖体験を一層深化させた作品となっています。
物語は、村に伝わる「紅い蝶」と双子を巡る儀式の謎を中心に進行します。姉妹は村の因習に巻き込まれ、繭を犠牲にする「紅い蝶の儀式」の真相へと迫っていきます。プレイヤーは澪を操作し、繭を守りながら村を探索し、怨霊との戦いを通じて儀式の秘密を解き明かしていきます。悲劇性と情緒性が強く打ち出され、シリーズの中でも特にドラマ性が高い作品となっています。
本作では村全体を探索対象としたことで、複数の屋敷や神社、廃墟が舞台となり、恐怖演出の幅が広がりました。怨霊との遭遇は不意打ち的に発生し、プレイヤーの緊張感を高めます。射影機による戦闘は前作から改良され、霊を撮影するタイミングやフィルムの種類によって戦況が変化するため、戦闘と探索が密接に結びついています。
また、双子の姉妹を主人公に据えたことで、プレイヤーは「守る」「失う」という感情的な緊張感を常に抱えながら進行します。姉妹の絆と儀式の悲劇性が物語に深い余韻を残し、零シリーズの中でも特に評価の高いタイトルとして知られています。
『零 ~紅い蝶~』は完全オリジナルの零シリーズ第2作目として制作されました。前作『零 ~zero~』では一つの屋敷を探索する形式でしたが、本作では廃村全体を舞台に拡張し、複数の屋敷や儀式の謎を解き明かす構造へと進化しています。双子の姉妹を主人公に据えたことで、物語に強い情緒性と悲劇性が加わり、シリーズの中でも特に人気の高いタイトルとなりました。後年にはXbox版『DIRECTOR’S CUT』、2012年にはWiiリメイク版『零 ~眞紅の蝶~』が発売され、現在もシリーズ屈指の名作として語り継がれています。












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