『冒険少年クラブ画報』は、高度経済成長期真っ只中の「昭和30年代」へタイムスリップし、当時の下町を探索する昭和おもいで探しアドベンチャー。2003年9月25日にジョルダンからプレイステーション2で発売され、「乗換案内」ソフトで知られる同社が手掛けた、ノスタルジックな雰囲気漂う異色作として登場しました。

プレイヤーは現代の少年「蒲郡時央(がまごおり ときお)」となり、突然迷い込んだ昭和34年の町で30日間を過ごします。ゲームの主な目的は、町の中に紛れ込んだ「現代の物(携帯電話やペットボトルなど)」を見つけ出し、正しい昭和の姿を取り戻すこと。また、当時の子供たちの通貨ともいえる「メンコ」や「ビー玉」、憧れの「ブリキのおもちゃ」などを収集し、図鑑を埋めていくコレクション要素も充実しています。

本作の魅力は、徹底した時代考証と企業協力によって再現されたリアルな昭和の風景です。オロナイン軟膏やボンカレーといった実在する企業のホーロー看板が町中に掲げられ、テレビからは当時のCMソングが流れるなど、細部までこだわり抜かれています。キャラクターデザインには漫画家の藤原カムイ氏を起用し、温かみのあるタッチで描かれた少年少女たちとのドラマが、プレイヤーを懐かしいあの頃へと誘います。

『冒険少年クラブ画報』はゲームオリジナル作品ですが、キャラクターデザインを『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章』などで知られる漫画家・藤原カムイ氏が担当しています。氏の描く繊細でどこか哀愁漂うキャラクターたちが、夕暮れ時の下町という舞台に見事にマッチし、独特の世界観を構築しています。

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