『新ベストプレープロ野球』は、2003年9月25日にエンターブレインからPlayStation 2向けに発売された、野球監督シミュレーションゲームです。1988年にファミコンで登場した『ベストプレープロ野球』シリーズの流れを汲みつつ、初の3Dグラフィック化や大幅なエディット機能の強化など、シリーズの集大成とも言える内容に仕上がっています。
プレイヤーは監督として、スタメンや先発ローテーションの設定、試合中の采配(バント、盗塁、継投など)を行い、ペナントレースを勝ち抜いて日本一を目指します。アクション操作は一切なく、純粋に采配と戦略で勝負する設計です。試合は全試合同時進行で進むため、ファミコン版よりも日程消化が格段にスピーディになっています。
最大の魅力は、徹底的に作り込まれたエディット機能です。選手の能力や名前、背番号はもちろん、ストライクゾーンの広さやボールの反発力まで調整可能。たとえば、全選手をメジャーリーガーに差し替えたり、飛ぶボール設定でホームラン量産リーグを作るといった遊び方も可能です。
一方で、試合テンポの遅さやバント成功率の低さ、守備AIの挙動などに不満の声もありました。特に、投手登録の選手が打撃能力を持てない仕様のため、二刀流選手の再現が難しい点は惜しまれています。また、クライマックスシリーズや本格的な交流戦は未実装で、2003年当時の制度に準拠した構成です。
それでも、ファミコン時代からのファンにとっては、テレビ画面でベスプレを楽しめるというだけでも大きな魅力があり、今なお根強い支持を集めています。
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