『白中探険部(しらちゅうたんけんぶ)』は、2003年8月28日にタイトーよりPlayStation 2向けに発売されたアドベンチャーゲームで、「体感アドベンチャー第一弾」と銘打たれた作品です。プレイヤーは大学生・藤枝隆弘となり、失われた記憶を辿るために故郷・白ヶ浜を探険します。

物語は、主人公の元に届いた謎のハガキをきっかけに始まります。かつて中学時代に結成した「白中探険部(STB)」の仲間たちと再会し、8年前の記憶を取り戻すために町を探索。やがて、行方不明となった少女の存在や、記憶の空白に隠された真実が明らかになっていきます。ノスタルジックな雰囲気とサスペンス要素が融合した構成が特徴です。

ゲームはフルボイス仕様で、坂本真綾が歌う主題歌「キミドリ」や、菅野よう子による音楽など、音響面にも力が入っています。選択肢によって物語が分岐し、複数のエンディングが存在。中には開始数分でバッドエンドを迎える展開もあり、プレイヤーの選択が物語の行方を大きく左右します。

また、温かみのあるグラフィックや一枚絵、ムービー演出が随所に配置されており、少年少女時代の思い出や友情、初恋、神隠しといったテーマが描かれています。ゲーム中には「太極印」などの収集要素もあり、やり込み要素も備えています。

『白中探険部』はゲームオリジナル作品ですが、デジタルエンターテインメントペーパー「游遊」では、マリア視点の物語『白中探険部 Maria’s Side』(作:藤岬よう)が連載されていました。