『ラーゼフォン 蒼穹幻想曲』は、2003年にPlayStation 2専用で発売されたロックオンアドベンチャー&アクションゲームで、TVアニメ『ラーゼフォン』を原作とした作品です。原作の世界観をベースにしながらも、ゲーム独自の分岐やエンディングが用意されており、プレイヤーの選択によって物語が大きく変化する構成が特徴です。

物語は主人公・神名綾人の17歳の誕生日から始まり、東京ジュピターを離れてTERRAに合流するまでの前編、自由行動を通じて運命が分岐する中編、そして複数のルートに分かれる後編へと展開されます。アニメ準拠のルートに加え、ムーリアン側に加担する「MUルート」、バーベム財団に反旗を翻す「バーベムルート」、さらには特殊な条件で発生する「18歳の肖像」など、原作では語られなかった可能性が描かれています。

ゲームはアドベンチャーパートとバトルパートに分かれており、前者では綾人を操作してキャラクターと会話し、イベントを発生させて物語を進めます。従来の選択肢方式ではなく、対象をロックオンすることで会話が始まる「ロックオンシステム」が導入されており、直感的な操作で物語を紡ぐことができます。好感度やイベントの発生によって「LOP(ロックオンポイント)」が増減し、これが物語の進行や戦闘に影響を与えます。

バトルパートでは、ラーゼフォンを操作して空中戦を展開します。敵はドーレムやドーテムといった原作に登場する存在で、遠距離攻撃や高速移動、緊急回避などを駆使して戦います。戦闘はシンプルながら爽快感があり、LOPを消費して強力なロックオン攻撃を放つことも可能です。戦闘評価によってボーナスLOPが得られるため、効率的な戦い方が求められます。