『ガチンコプロ野球』は、ナウプロダクションが開発し、2002年6月21日にゲームボーイアドバンス向けに発売されたプロ野球シミュレーションゲームです。さらに2003年8月7日には、PlayStation 2向けに続編『ガチンコプロ野球』がリリースされ、シリーズ化されました。

GBA版は、投手と打者の1対1の駆け引きに特化した設計で、アクション操作を極力排除し、データ分析と戦術判断を重視した内容が特徴です。投手は球種やコースを選び、打者は相手の癖や配球傾向を読みながらスイングを選択。守備は基本的にオートで進行し、野球アクションが苦手なプレイヤーでも楽しめるよう配慮されています。

一方、PS2版はより野心的な内容で、特に「大ドラフトモード」が話題となりました。これは全国を巡って実在選手やOB選手(670名以上)と交渉し、500ターンかけてスカウト活動を行い、最終的にドラフト会議で指名してチームを作るという、まさに“プロ野球RPG”とも呼べる異色のモードです。選手の好物を贈ったり、他球団の監督とバトルしたりと、スカウト活動に戦略と運が絡む奥深いシステムが魅力です。

また、実況・解説のコメントをヒントに配球を読む「新感覚ピッチング&バッティングシステム」や、トゥーンシェーディングによるデフォルメキャラのビジュアルも特徴的でした。ロード時間やテンポの悪さなど課題もありましたが、独自性の強い一本として一部で根強い人気を誇ります。