『SAKURA 〜雪月華〜』は、現代の学園生活から平安時代、鎌倉時代、そして大正時代へと時を超えて展開する壮大な輪廻転生の物語を描いた恋愛アドベンチャーゲーム。2003年07月31日にプリンセスソフトからPlayStation 2で発売されました。PCゲームブランドCIRCUSが手掛けた初期の作品をベースに、家庭用ゲーム機向けに大幅なアレンジとフルボイス化が施されています。修学旅行で京都を訪れた主人公・草薙誠は、不思議な転校生から渡された一冊の「本」をきっかけに、過去の時代へと精神を飛ばされ、それぞれの時代で悲劇的な運命を背負ったヒロインたちと巡り合います。
主人公は、現代では演劇部の脚本担当として活動していますが、本の中の世界(過去)では、陰陽師・安倍晴明や木曾義仲の息子・義高といった歴史上の人物の役割を演じることになります。プレイヤーの選択によって物語は分岐し、過去の世界での行動が現代のヒロインたちとの関係性や結末に影響を与える構成となっています。単なるタイムスリップものではなく、魂の巡り合わせや「演じること」の意味を問うメタフィクション的な要素を含んでおり、幾多の時代を越えて繰り返される悲劇の連鎖を断ち切り、真実の愛に辿り着くための長い旅路が描かれています。
特筆すべきは、田村ゆかり氏、堀江由衣氏、水樹奈々氏といった、現在では考えられないほどの超豪華声優陣がメインキャストとして集結している点です。彼女たちの演技が、時代ごとに異なる立場のヒロインたちの感情を繊細に表現し、物語の没入感を極限まで高めています。また、キャラクターデザインには七尾奈留氏らが参加しており、美しくも儚いビジュアルが「桜」をモチーフにした切ない世界観を彩っています。
開発元のCIRCUSは、『D.C. 〜ダ・カーポ〜』シリーズで一時代を築いたブランドであり、本作はその前夜に生まれた意欲作です。陰陽師や歴史上の悲恋をモチーフにした物語に興味を持った方は、夢枕獏の『陰陽師』や、古典文学『平家物語』などを読むことで、ゲーム内で描かれた歴史的背景や伝奇的な設定をより深く理解することができます。













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