『プロ野球シミュレーション ダグアウト’03 -the TURNING POINT-』は、2003年6月26日にデジキューブからPlayStation 2向けに発売された、プロ野球監督業に特化したシミュレーションゲームです。プレイヤーは監督として、1軍・2軍の編成からスタメン決定、試合中の采配(投手交代、代打、バント、エンドランなど)まで、現実さながらのマネジメントを行い、リーグ優勝や日本一を目指します。

本作の最大の特徴は、約800人に及ぶ実在選手の詳細なデータと、徹底した情報戦の再現性にあります。選手交代ひとつ取っても、過去5試合の成績、対左右打率、得点圏打率、相手投手の球種割合など、膨大な情報をもとに判断を下す必要があり、まさに“野球脳”が試される内容です。

また、外野の中継プレーやカバーリングといった細かな守備動作まで再現されており、試合展開にもリアリティが追求されています。雨天中止や選手のケガ、タイトル争いに絡んだ欠場や敬遠など、プロ野球の“あるある”も盛り込まれており、ファンの心をくすぐる演出が随所に見られます。

エディット機能も充実しており、選手の能力やコメント、ニックネーム、打線名などを自由に設定可能。ただし、文字数制限やキーボード非対応といった制約もあり、細かい入力にはやや根気が必要です。

アクション要素は一切なく、純粋に采配とデータ分析を楽しむ“監督専用”の一本。パワプロのような操作型野球ゲームとは一線を画し、シミュレーション好きやデータマニアに強く支持されました。