2003年にコナミから発売された『永世名人7 通信将棋倶楽部』は、将棋AI開発者・吉村信弘氏による思考エンジンを搭載したシリーズ第7作であり、PlayStation 2専用ソフトとして登場しました。本作は、前作『永世名人VI』で導入されたネットワーク対局機能をさらに強化し、将棋倶楽部24との連携によるオンライン対局を実現しています。

本作の大きな特徴は、PlayStation BB Unitへの完全対応により、モデム接続に加えてブロードバンド環境での快適な通信対局が可能となった点です。さらに、対局後にCPUが感想やアドバイスを語る「感想戦モード」が新たに搭載され、対局内容の振り返りや学習がより深く行えるようになりました。思考プログラムも強化されており、指し手の精度と思考速度が向上し、初心者から有段者まで幅広く対応する難易度設定が用意されています。

また、定跡データベースや詰将棋モード、棋譜再生機能など、シリーズで培われた学習・鑑賞機能も引き続き搭載されており、将棋ファンにとって充実した内容となっています。オンライン対局と学習支援の両立を図った本作は、シリーズの集大成とも言える完成度を誇ります。