『機動新撰組 萌えよ剣』は、明治時代の京都を舞台に新撰組の志を継ぐヒロインたちが妖魔退治に挑むアドベンチャーシミュレーション。2002年12月12日にエンターブレインからPlayStation 2で発売され、広井王子氏の企画と高橋留美子氏のキャラクターデザインという豪華な顔合わせにより大きな注目を集めました。
物語の舞台は、明治維新後の平和を取り戻しつつある京都です。しかし、裏では「妖魔」と呼ばれる怪物たちが跳梁跋扈し、人々の生活を脅かしていました。そこで、かつての新撰組隊士たちの子供たちが中心となり、妖魔を専門に退治する組織「機動新撰組」が結成されます。近藤勇の娘・近藤勇子を中心に、土方トシや沖田薫といった少女たちが、父譲りの剣技と最新の装備を手に戦う物語が展開されます。
ゲームの進行は、全24話からなるエピソード形式を採用しています。アドベンチャーパートでは、京都の街を移動しながら住人たちとの会話やイベントを通じて情報を集めます。物語の合間には次回予告やアイキャッチが挿入され、テレビアニメを視聴しているかのような演出が徹底されています。各ヒロインとの信頼関係が深まることで、個別のエンディングへと物語が分岐するマルチエンディング方式が採用されています。
戦闘パートは、戦略的な思考が求められるシミュレーションバトルです。キャラクターの移動や技の選択には「カード」の要素が組み込まれており、限られたリソースをどのように活用するかが勝利の鍵となります。ヒロインたちが繰り出す必殺技には専用のアニメーションカットインが用意されており、高橋留美子氏が描く魅力的なキャラクターたちが画面狭しと躍動する姿を楽しめます。
音声面では、松井菜桜子氏、折笠愛氏、川澄綾子氏といった実力派声優陣がメインキャストを担当し、物語の全編がフルボイスで進行します。アニメーション制作にはスタジオディーンが参加しており、オープニングやイベントムービーのクオリティは当時の水準でも非常に高いレベルを誇りました。本作の成功は、後のOVA化やテレビアニメ化といった広範なメディアミックス展開の礎となりました。
『機動新撰組 萌えよ剣』は、広井王子氏（原案・企画）と高橋留美子氏（キャラクターデザイン）によるメディアミックスプロジェクトから生まれたオリジナル作品です。新撰組という歴史的モチーフを大胆にアレンジした、華やかで熱い美少女剣劇の世界観が確立されています。
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