『ザ・キング・オブ・ファイターズ2000』は、2000年にSNKよりアーケード(NEOGEO)向けにリリースされた2D対戦格闘ゲームで、KOFシリーズ第7作目にあたります。前作『’99』から続く「ネスツ編」三部作の中編であり、旧SNKが手がけた最後のKOF作品としても知られています。
本作の物語は、謎の組織「ネスツ」の暗躍が続く中、K’(ケイダッシュ)とマキシマの行動を追うハイデルン率いる傭兵部隊が、再び開催されるKOF大会に巻き込まれていくという展開。新キャラクターとして、氷を操る少女「クーラ・ダイアモンド」が登場し、シリーズのキーパーソンとして強烈な印象を残しました。
ゲームシステム面では、前作で導入された「ストライカーシステム」がさらに進化し、「アクティブストライカーシステム」として再構築。攻撃中やジャンプ中など、ほぼあらゆる状況でストライカーを呼び出せるようになり、コンボの自由度が飛躍的に向上しました。また、各キャラクターには「アナザーストライカー」や「マニアックストライカー」といった専用援護キャラが設定され、SNK作品の枠を超えたファンサービス的な演出も魅力です。
演出面では、森気楼氏による美麗なドット絵や、シリーズ屈指と評されるオープニングデモ、そして「新世界楽曲雑技団」によるBGMも高く評価されており、SNKの集大成とも言える完成度を誇ります。特にオープニングは、K’がモノクロで歩く中、背景に登場キャラのポートレートが浮かぶ演出が印象的で、シリーズファンの間でも語り草となっています。
一方で、ストライカーの自由度が高すぎたことにより、対戦バランスが崩壊し、即死コンボや永久連携が多発するなど、賛否両論を呼んだ作品でもあります。それでも、シリーズファンにとっては“旧SNK最後のKOF”として、今なお語り継がれる存在です。
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