『メダル・オブ・オナー 史上最大の作戦』、2002年10月24日にエレクトロニック・アーツ・スクウェアから発売されたPlayStation 2対応のファーストパーソン・シューティングゲーム。第二次世界大戦の転換点となった「ノルマンディー上陸作戦」を、映画さながらの圧倒的な臨場感と演出で再現した、コンシューマーFPSの歴史に名を刻む傑作アクション作品となっています。

物語は1944年6月6日、D-デイのオマハ・ビーチから幕を開けます。プレイヤーはOSS(戦略情報局)のジミー・パターソン中尉となり、雨あられと降り注ぐ銃弾の中を駆け抜け、友軍と共に海岸線を突破します。その後も、オランダでの「マーケット・ガーデン作戦」や、ナチス・ドイツの秘密兵器「Ho-IX」を奪取するための潜入工作など、欧州戦線を股にかけた過酷なミッションが続きます。

本作において特筆すべきは、当時のPlayStation 2の性能を限界まで引き出したグラフィックと、マイケル・ジアッキーノ氏による壮大なフルオーケストラの楽曲です。戦場の喧騒や兵士たちの叫び声、そして静寂の中で響く足音などがリアルに表現され、まるで戦争映画の主人公になったかのような没入感を味わえます。体力回復アイテムを探しながら進むクラシックなスタイルでありながら、演出面の巧みさでプレイヤーを戦場の最前線(フロントライン)へと引き込みます。

単なる撃ち合いだけでなく、変装や破壊工作といったスパイ的な任務も含まれており、変化に富んだゲームプレイが楽しめます。戦争の悲惨さと英雄的な行為の両面を描ききった、記憶に残る一本です。

本作は、1999年にPlayStationで発売された『メダル・オブ・オナー』シリーズの第4作目にあたります(コンシューマー機向けとしては実質的な続編)。スティーヴン・スピルバーグ監督が映画『プライベート・ライアン』撮影中に着想を得て制作された初代のコンセプトを継承し、より映画的でドラマチックな戦場体験を追求した作品として、FPSジャンルの普及に大きく貢献しました。

原作:メダル・オブ・オナー