『フーリガン ~君のなかの勇気~』は、特撮ヒーロー番組の主題歌でおなじみの串田アキラ氏が熱唱するオープニングと共に幕を開ける、熱血とパロディが渦巻くハイテンション・ラブコメアドベンチャー。2002年8月29日にPCCW Japan(現・ジャレコ)からPlayStation 2で発売され、フロントウイングのPC用アダルトゲームを一般向けに健全化しつつ、カードバトル等の独自要素で武装した移植作として展開されました。
本作の主人公・乃木ユキトは、突如飛来した謎の「宇宙エネルギー」を浴びたことで、精神と肉体が「理性」と「煩悩(欲望)」という2人の人間に分離してしまいます。プレイヤーは「煩悩のユキト」となり、人類抹殺を企む「理性のユキト」を止めるため、そして元の体に戻るために奔走します。彼を取り巻くヒロインたちも、変身ヒロイン「トライガーン」として戦う幼馴染、妖怪ハンターの巫女姉妹、地球征服を狙う宇宙人3人組と、アクの強いキャラクターばかり。特撮やアニメのパロディをふんだんに盛り込んだドタバタ劇が、勢い任せのシナリオで展開されます。
ゲーム進行はオーソドックスなアドベンチャー形式ですが、物語の随所で「カードバトル」が発生するのが特徴です。これはジャンケンのルールを応用したシンプルなシステムで、手持ちのカードを出して相手の体力を削り合います。必殺技演出などは派手ですが、運要素が強く戦略性に乏しいという側面もあり、ストーリーの腰を折る要素として賛否が分かれる部分でもあります。
しかし、本作最大の魅力はやはり、串田アキラ氏による主題歌「フーリガン」の存在感でしょう。「ガン!ガン!ガン!フーリガン!」と連呼する熱すぎる歌声は、ギャルゲーというジャンルの壁を粉砕し、プレイヤーのテンションを無理やり最高潮へと引き上げます。PS2版ではシナリオの大幅な修正や新エンディングの追加が行われており、バカバカしくも熱い青春ドラマを気軽に楽しめる一本となっています。
『フーリガン』の原作は、2001年にフロントウイングから発売された同名のPC用18禁アドベンチャーゲームです。PC版ではヒロインとの性的な接触によってエネルギーを補給するという設定がありましたが、PS2版では健全な展開へと改変されています。フロントウイングは後に『グリザイアの果実』などを生み出すメーカーであり、本作はその初期を支えた代表作の一つです。













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