『RS ライディング スピリッツ』は、国内・海外のメーカーが販売する実在のオートバイを多数収録した、本格的な二輪ロードレースシミュレーターです。2002年7月25日にスパイクからPlayStation 2用ソフトとして発売され、実車さながらの緻密なグラフィックスと徹底的な挙動の追求により、バイクファンから大きな注目を集めました。

本作のメインとなる「RIDING SPIRITS(RSモード)」では、プレイヤーは一人のライダーとして各地のレースに参戦します。獲得した賞金で新しいバイクを購入したり、パーツを換装して性能を向上させたりしながら、より上位のクラスを目指すキャリアパスを楽しむことができます。マフラーやエンジン、タイヤなど25箇所におよぶ膨大なカスタマイズ項目が用意されており、自分好みのマシンを作り上げる喜びが詰まっています。

操作面では、二輪車特有の「荷重移動(リーンコントロール)」をマニュアルで操作できるシステムが採用されています。前後のピッチングや左右の倒し込みをプレイヤー自身が制御する必要があり、路面状況や速度に応じた繊細な入力が求められます。このシビアな操作系に加え、スリップや急ブレーキによる転倒、ハイサイドといった事故の挙動までもがリアルに再現されている点が本作の大きな特徴です。

収録車種は、ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの国内4大メーカーをはじめ、ヨシムラやモリワキといった有名チューナーのコンプリートマシンを含め200車種以上にのぼります。また、ヘルメットやレーシングスーツといったライディングギアも、アライやショウエイなどの実在ブランドが多数登場します。実在するパーツメーカーとのタイアップにより、排気音の変化や外観の細部まで忠実に再現されました。

さらに、世界的に活躍したライダーである加藤大治郎選手が技術提供を行っていることも本作の魅力の一つです。作品内には特別な車両として「2001年式 ホンダ NSR250 DAIJIRO Special」が収録されており、ファンにはたまらない要素となっています。シミュレーターとしてのストイックさと、コレクション・カスタマイズの楽しさが高度に融合した一作です。

『RS ライディング スピリッツ』は、スパイク(現スパイク・チュンソフト)とレースゲームに定評のある元気がタッグを組んで制作したオリジナル作品です。後に2004年には続編『RSII』が発売されるなど、リアルバイクゲームの地位を確立しました。

RS ライディング スピリッツ