『EGBROWSER』は、家庭用テレビとゲーム機を使って手軽にインターネットの世界へアクセスできるウェブブラウザソフト。2001年04月12日にエルゴソフトからPS2で発売されました。その翌年、2002年06月27日には、ブロードバンド環境やハードディスクドライブに対応した高機能版『EGBROWSER BB』が発売されています。パソコンの普及率がまだ家庭によってまちまちだった時代に、リビングにあるテレビ画面を通じてホームページの閲覧やメールの送受信を行うという、新しいライフスタイルを提案した実用的なツールです。

利用者は、別売りのUSBモデムやネットワークアダプターを介してインターネットに接続します。ゲームコントローラーでの操作に最適化されたインターフェースを採用しており、アナログスティックでマウスカーソルを動かし、L/Rボタンで画面のスクロールやズームを行うことができます。もちろんUSBキーボードにも対応しており、長文のメール作成やURL入力もスムーズに行えます。高機能版である『BB』では、PlayStation BB Unitの大容量HDDへのデータ保存が可能となったほか、Macromedia Flash 4.0に対応したことで、動きのあるウェブサイトやアニメーションコンテンツも表示できるようになり、よりパソコンに近いブラウジング環境を実現しました。

本シリーズの特徴は、Macintosh用ワープロソフトなどで実績のあるエルゴソフトならではの、高度な日本語入力システムを搭載している点です。予測変換機能などを備えた快適な文字入力が可能で、単なる閲覧ソフトの枠を超えたコミュニケーションツールとして機能しました。また、ウェブ上のMP3ファイルをダウンロードして再生する機能も備えており、音楽プレイヤーとしての側面も持ち合わせていました。ダイヤルアップ接続から常時接続(ADSL/光)へと移行するインターネット黎明期の熱気を、家庭用ゲーム機の進化と共に歩んだ歴史的なソフトウェアです。

開発元のエルゴソフトは、Mac用日本語入力プログラム「egbridge」などで知られる老舗メーカーでした(2008年に事業終了)。当時のインターネットは「テレホーダイ」や「ADSL」といった言葉が飛び交う過渡期であり、独特のテキスト文化やFlashアニメーションが花開いた時代でもあります。あの頃のネット文化の空気を知るには、当時の掲示板発の物語である『電車男』や、インターネットの歴史を振り返る書籍などが良きタイムマシンとなります。

電車男 (新潮文庫)

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